はねず踊りとは
「はねず」とは、うす紅色のことを指す日本の古語である。
隨心院小野梅園に咲く紅梅は、古くからこの名で親しまれていたのである。
昔、深草少将がこの地に住まっていた小野小町を慕うあまりに百夜通いの悲願をこめて通い続けた。
しかし、九十九日目の大雪の夜、ついに代人を仕立てたのが運のつきで少将にはもはや小町の姿をもとめることはできなくなった。
その後の小町は、毎年「はねずの梅」が咲く頃を、老いの身も忘れたように里の子たちと楽しい日々を過ごしたという。
また、少将が通い続けた日数を小町が榧(かや)の木の実でかぞえていたという伝説が残るが、今は隨心院の周辺に数株の古木が茂っている。
はねず踊りは、この隨心院に伝わる小野小町の伝説を主題としたものであるが、童謡や民謡の性質上、これがいつ頃から歌われ踊られたかを知る由もない。
しかし、江戸元禄年間から少なくとも大正時代までは、毎年「はねずの梅」が咲く頃に、里の子たちが家々を訪ねて門内の庭で踊っていたことは明らかである。
途絶えたはねず踊りの再興
大正時代に途絶えた「はねず踊り」を復活させようと寺と地域住民が一体となり動き出す。
古老の記憶をたどりながら、数十年前の歌と曲と振りを再生させようと歌詞の不備を補った上で、作詞を出雲路敬和氏、作曲を相愛女子大学教授(現 相愛大学)大橋博氏、振り付けを舞踊家森本博子氏が携わった。
昭和四十八年の春、「はねず踊り」の復活を希う人々の声にこたえて、ついに甦ることができたのである。
毎年、3月最終日曜日に勅使門前に舞台を設置して開催
公演時刻と演舞内容
①11:00
「はねず踊り」
「随心院今様」
「招待伝統芸能」
②12:30
「はねず踊り」
「随心院今様」
③13:30
「はねず踊り」
「随心院今様」
「招待伝統芸能」
④15:00
「随心院今様」
「はねず踊り」
※雨天時は堂内にて開催します
入山料(拝観料・梅園入園料・はねず踊り観覧料含む)
大 人 1,000円
中学生 800円
小学生以下無料
この日は各種割引はありません。
踊り子は山科小野醍醐地域の小学生
地元の小学4・5・6年生の少女が、小野小町役と深草少将役に扮して踊ります。
お寺の伝統行事ということもあり、合掌の所作が組み込まれたり、小町役が驚くシーンがあるなど見ごたえがあります。
大勢の観覧客の前で一緒に踊りませんか?
はねず踊り保存会では、踊り子を募集しています。
京都山科に伝わる伝統芸能「はねず踊り」は春の風物詩として国内はもとより国外からも多くの人が詰め掛けます。
そんなたくさんの聴衆の中で、綺麗な着物を纏い、お化粧をして一生に残る経験をしてみませんか?